【ネタバレあり】映画『沈黙‐サイレンス‐』気になる出演者・ 黒沢あすかさん
【ネタバレが含まれていますので映画未見の方はご注意ください】
もう一人気になった出演者が、映画の最後にロドリゴの妻を演じた黒沢あすかさんです。
初めて見た女優さんですが、セリフがなくともその所作や目の動きにすごく惹きつけられ、検索してどなたかを調べました。
棺桶に入ったロドリゴに守り刀を入れる時、一度脇を上げてから入れる所作が美しくて見惚れました。
江戸時代のお葬式の執り行い方も初めてちゃんと見た気がして関心を持ちました。
黒沢さんもブログに詳しく撮影の様子を綴っていました。
こちらのブログを読むまで、屏風のこと、お茶碗のこと、知りませんでした。
最後のシーンを何度も見返しました。
そしてさらに検索しました。
「棺桶(かんおけ)」の語源や、江戸時代のしきたりや当時の葬儀の絵なども…。
黒沢さんのシーンは、一言もセリフがありません。
ロドリゴの妻の心情を、目の動き、顔の表情、所作のみで表現しています。
年齢でさえ、メイクももちろんですが、腰や首の曲がり具合で見せています。
それを見る私たちはそこから妻の気持ちを読み取り想像するしかないのです。
私はこのように思いました。
- 踏絵を踏む時、少し躊躇しているように見えるのは、妻もクリスチャンになったからでは?
- 守り刀を入れる時、妻が何か決意したような表情のカットが入って、ロドリゴの手のひらに何か(あとでモキチから託された木の十字架とわかる)を入れたような気がする!
- だって、その後、3人の看守は何も見咎めた様子がないのを妻は背中で感じながら、してやったり!というような達成感のある表情をしている気がする!
- 大きなミッションを果たしたものの、焼かれるまで気づかれてはいけないので、涙を流したりできなかったのでは?
- お茶碗を割った後も何か信念のある目をしていると思う。
果たして台本にはどのようなト書きがあったのか、黒沢さんの演技プランなのかはわからないのですが、見た私たちにこういったいろんな想像を掻き立てるすばらしい演技だと思いました。