【ネタバレあり】「去れ、行きて汝のなすことをなせ」・映画『沈黙‐サイレンス‐』を見て・その2
【ネタバレが含まれていますので映画未見の方はご注意ください】
「去れ、行きて汝のなすことをなせ」
中盤のチャプター11(チャプターはDVDのチャプターのことです。)で気になったこと。
ジュアンが首を切られて処刑され、「転び」の見本として、褌一丁のキチジローが出てきて踏絵を踏んだ後のシーンのセリフが気になりました。
役人が
「さあ行け!失せろ!見たか?あやつは自分のすべきことをした。それだけのことだ。」
と捕らえられたキリシタンたちに迫ります。
英語字幕では
"Now go! Get out of here! You see? He lived up to his obligation.That's all."
となっていました。
この日本語の「さあ行け!」「あやつは自分のすべきことをした。」って、キリストの言葉の「去れ、行きて汝のなすことをなせ」に似ていませんか?
でも、「ヨハネによる福音書」の13章27の「去れ、行きて汝のなすことをなせ」は、英語では、
"Hurry and do what you're going to do."
とか
"Do quickly what you have to do."
と書かれているようです。(聖書の出版社によって微妙に違うようです。)
"lived up to his obligation"
は直訳すれば「彼は義務を果たした」ということなので、英語の方はちょっとニュアンスが違うのかな?
英語話者の方はどう理解するのかな?とちょっと気になりました。
【追記】
映画の最初の方(14:47)、日本に上陸したロドリゴたちが洞窟で潜んでいる時、ロドリゴが
"What you will do,do quickly"
とつぶやいていました。
ガルペと別々に逃亡し、五島でキチジローと再会し、キチジローの告解を聴く時も、ロドリゴは心のでこの言葉をつぶやいていました。(60:09)