【ネタバレあり】問題の拷問のシーンは…・映画『沈黙‐サイレンス‐』を見て・その1
【ネタバレが含まれていますので映画未見の方はご注意ください】
ここからは映画を見て思ったこと・気になったことなどを書いて行きたいと思います。ストーリーの順番に沿ってではなく、思いついたままに書いてしまいますのでご容赦ください。
問題の拷問のシーンは…
私が映画『沈黙‐サイレンス‐』を見ることができなかった理由にしていた拷問のシーン。
ストーリーには必要であることを、事前に読んだ資料で理解できたので、村人のひとりになった気持ちで、人々の頭の隙間から見ているしかない…という心持ちでしっかりと見ました。
過剰に恐怖心を煽る効果音や、急に死体や傷口をどアップにしたり、カメラがパンしたら死体があった、死に顔がグロテスク…などのホラー映画みたいな演出はないので、びっくりはしません。
でも、ジュアンが斬られるシーンはあまりに突然で、モニカの叫び声を聞いてやっと起こったことに気づき、ロドリゴの取り乱す様が自分の心の動きと重なり胸が詰まる思いでした。小説で読んでいたのに、愕然としてしまいました。
虫の音や波の音などの自然音のもとで、淡々と事務的に拷問が行われ、殉教した人々が死んでいく様に、映画の中の村人もパードレも私も何もできずに見ていることしかできないのです。それが無情に重く心にのしかかります。
こんなにいろんなやり方の拷問を考え出してしまうのが他ならぬ人間だということがとても怖いです。